【こびとや Mei.Wインタビュー 中編】こびとやのあり方

こびとやについて

こびとや制作者であるMei.Wへのインタビュー・中編です。(→インタビュー前編はこちら

今回の登場人物

Mei.W(こびと作家)

今回インタビューされた人。
”小さな幸せと癒しをお届けする”を目標にこびとのイラストを描き、SNSに投稿したり雑貨として販売したりしている(活動名:こびとや)。

こびとやオフィシャルサイト
オンラインショップ

千代紙さん

今回のインタビュアー。
Mei.Wの友人であり、こびとやを応援してくれている。
文芸学科出身。「こびと作家」と最初に名づけてくれたのも千代紙さん。
こびとやの紹介記事をお願いするようになった経緯は千代紙さんの「こびとからの招待状」レビュー記事にて。

こびとや Mei.Wインタビュー 中編

こんにちは、千代紙です!

この記事では前回に引き続き、Meiさんの価値観や作品世界を探るべく、お話をうかがっていきたいと思います。
今回の中編では主に「こびとやのあり方」についてのインタビューとなっておりますので、是非ご拝読下さいませ!

(※尚、若干ではございますが内容に前編との繋がりがございますので、よろしければ前編からお読みいただけますと幸いです)

人によりそう―こびとやのあり方―

ーでは続いて、こびとやのあり方についてMeiさんにうかがっていきたいと思います。

こびとやのコンセプトには、人によりそうようなイメージの言葉が多いな、と感じていました。
販売しているものも、オーダーメイドのイラストや、メッセージカードなど、親身になってよりそうものが多いですよね。そういったことって、意識してやられていますか?

アイコンにも使えるオーダーメイドのイラスト

こびとやオンラインショップで取り扱っている「アイコンにも使えるオーダーメイドの小人イラスト」

Meiさん「そうですね。先程の話(※前編)とも関わってくるのですが、私の中で空想の世界というのが人によりそっているものという感覚があったのと、絵というか、工芸とかも、人の暮らしに幸せをプラスするものというイメージがあるので、こびとやでも自然にそういう存在を目指しているのかもしれません」

なるほど、芸術作品や空想そのものに対するイメージの反映でもあるんですね。
ちなみに、オーダーメイド作品などではまさに個人に向けたものを描くわけですが、大学で日本画を描いていた時と違う感覚ってありますか?

Mei.Wが大学時代に日本画で描いた作品。

大学時代に日本画で描いた作品。

Meiさん「こびとや以前は、実は『人のために描く』感覚はあまりありませんでした
大学時代の感覚では作品って『自己表現』あるいは、『思想などを訴える手段』みたいな感じだったんで…。
芸術作品って、そういう面もあると思うんです」

はい、大学は特に..そうですよね。個性の塊が寄せ集まってるみたいな、そういう雰囲気っていうか。それも芸術のある側面ですよね。

Mei.W
Mei.W

ちなみにMei.Wは東北芸術工科大学日本画コース出身です。

Meiさん「それはそれで大切ですし、素晴らしい作品が生まれると思うんです。
でも、卒業して、その後も制作活動をして行く中で、『あれ?私がしたいことってなんだっけ?』となってしまって。よく考えたら、大きな美術館で飾ってもらうとか、自分の感情や思いを形にするとか、そんなに惹かれないな?と…」

ふむふむ。元々小さい頃から絵描きになりたかったとうかがっておりますので、絵を描きたいという気持ちは最初から強かったのかなと思うんですが..その上で活動指標みたいなものが、徐々に明確になってきたんですかね?

Meiさん「そうですね。幼稚園のころから『芸術家になりたい!』と言っていましたが、こびとやを始める少し前あたりくらいから、改めて、『そもそも私のなりたかったものとは?』と考え直してみたというか。
良く考えたら、小学生で夢を否定されて、高校で『画家(芸術家)』を目指せる可能性を知り、それから、大学卒業まではひたすら思ったように描けるようになりたいとがんばって…と、ずっと目指しては来たものの、実は具体的になりたい形まで考えられていなかったんですよね。(※そのあたりの経緯にご興味があればこびとやにつながる夢の軌跡にて
卒業して、大学のように周りの人みんなが絵を描く環境ではなくなって、課題などで『絵を描かなければいけない』という環境でもなくなって、でも作品作りを続けていくうちに、あれ?と気づいたと言いますか」

 

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目指すもの―こびとやの原点―

ー自らが本当に目指していたものはなんだったのか。自問自答する時間の中でMeiさんがたどり着いたのは、原点に立ち返る発想だった。

Meiさん「何がしたいのかを考えたときに浮かんだのが、子供の頃家にあったお皿だったんです。
白いお皿に、一部ピンクの装飾が入っていて、そこに銀色の切金みたいな模様が散らされているお皿。私はそのお皿がお気に入りで、見るたびに幸せな気持ちになれました。
私がなりたいのは、多分そういうのだな、と。あるいはお気に入りの、とっても綺麗な絵本..。日常の中にそっとあって、見るとちょっぴり幸せな気分になれる、そんな存在になれたら嬉しいな、と気づいたんです。むしろ、それを目指したのがこびとやと言いますか」

 

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Meiさんの目指す形の芸術は、どちらかというと生活に根付いたものだったんですね。今のこびとやのコンセプトはそこからきていた、と。
たしかに、我々は芸術というと美術館にあるような、高尚なものをイメージしがちですが… それももちろん素晴らしいんですけど、そればかりでは、ないですよね。

Meiさん「はい。だから、もしかしたらこびとやは『芸術』ではないのかも?とは思います。私もそのあたりちょっと悩みましたが、最終的に『そういうくくりはなんでも良いや』という結論になりました。
芸術とかイラストとか絵画とか、その辺に気を取られるより、とりあえず私の理想を形にしようと思っています」

ーたしかに生活芸術とか、言いようはあるのかもしれませんけれど。その想いを言葉でくくるのは流石に難しいかもしれませんね。
もはや「こびとや」!でいいのかもしれません。

私個人としましても、Meiさんの日本画のエッセンスと、色鉛筆と水彩を組み合わせた自由なところとか..枠組みより自由さが前に出るところも、魅力だと思っています。

たどり着いた今のスタイルがMeiさんにぴったりとあっているみたいですし、お客様によりそううちに、ますます活動の幅は広がっていきそうですね!

Meiさん「ありがとうございます…!不思議なことに、自分とは違う憧れ(クールでかっこいい絵)を目指してがんばっていた頃より、自然体に近い今の方が『好き』って言ってくださる方も、応援してくださる方も増えましたし、自分でも満足のいく作品が描けるようになったので、やっぱり『自分らしさ』は大事なのかなぁと思います」

 

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人によりそう芸術を形にした素朴さ、枠組みに囚われない自由さ。
私たちに近い場所にいてくれる「こびとや」らしい、エピソードでした。

次回はインタビュー後編です!
「こびとや2020年の振り返りと2021年への抱負」をうかがっていきますので今しばらくお付き合い下さいませ。
次回もよろしくお願いします!
(`・ω・´)*+

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